実は最近までタバスコのことを誤解していた。酸味のあるものや辛味のあるものが好きな私は、冷ややっこや目玉焼き、ウィンナーにも激辛ソースをかけるし、チーズのたっぷり載ったパンなら、チーズのくぼみに溜まるくらいのタバスコをかけて食べていた。そんなだから匙加減が馬鹿になっていて、パスタを食べる時など、パスタの味がしなくなるほどの量のタバスコをかけていた。
しかし胃腸の弱っているある日。自分でつくったナポリタンに、いつものようにタバスコをかけた。胃腸が弱っているから、とほんの数滴だけ。すると、なんてこと。元のケチャップソースの甘みが、タバスコの酸味によってピリリと際立っているではないか。
その時、ようやく気が付いたのである。
かけすぎたら、それは別の料理だ。一口分のナポリタンにタバスコを3滴以上垂らしたら、それはナポリタンではない。カルボナーラにタバスコをかけすぎても、ミートドリアにタバスコをかけすぎても、それは同じことである。タバスコをかけすぎても存在が変わらないものと言えば、マルゲリータくらいのものだろう。
タバスコはあくまで、料理を引き立たせるための調味料なのである。
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